Javaにおける例外処理の基礎まとめ | try-catch文の使い方と例外処理の例も解説

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例外

Javaにおける例外(Exception)は、プログラムの実行中に発生するエラーを表すオブジェクトです。プログラムが例外を投げると、エラーが発生し、プログラムの実行が中断されます。

 

エラー

Javaでは、Errorという特別な種類の例外があります。Errorは、通常、プログラムの実行中に回復不能な状態が発生した場合にスローされます。Errorは、通常、プログラマがキャッチすることはできません。

 

例外の処理

Javaでは、例外処理が必要なコードは、tryブロックで囲みます。tryブロック内のコードが例外をスローした場合、対応するcatchブロックが例外をキャッチして処理します。catchブロックは、例外クラスを指定して、どの例外をキャッチするかを明示します。finallyブロックは、tryブロックが完了した後に実行されるコードを指定するために使用されます。finallyブロックは、例外がスローされた場合でも実行されます。

try {
    // 例外が発生する可能性のあるコード
} catch (IOException e) {
    // IOExceptionをキャッチするコード
} catch (Exception e) {
    // その他の例外をキャッチするコード
} finally {
    // 例外が発生したかどうかに関係なく、常に実行されるコード
}

 

finallyブロック

Javaでは、例外が発生しても必ず実行されるfinallyブロックを定義することができます。finallyブロックは、例外が発生したかどうかに関係なく、常に実行されます。これは、リソースを解放するためのコードや、クリーンアップ処理を行うためのコードを含めるのに便利です。

 

例外のスロー

Javaでは、例外をスローして、例外処理を強制的に行うことができます。

throwキーワードを使用して、任意の例外をスローすることができます。

例外をスローする場合、例外オブジェクトを指定する必要があります。

 

public void doSomething() throws IOException {
    if (someCondition) {
        throw new IOException("Some message");
    }
}

 

自分で例外クラスを定義する

プログラマーは、必要に応じて独自の例外クラスを定義することができます。

独自の例外クラスを定義する場合、通常、Exceptionクラスまたはそのサブクラスを継承する必要があります。独自の例外クラスを定義することで、より詳細なエラーメッセージや、プログラマーが定義した例外の種類を示すこと

public class CustomException extends Exception {
    public CustomException() {
        super();
    }

    public CustomException(String message) {
        super(message);
    }

    public CustomException(String message, Throwable cause) {
        super(message, cause);
    }

    public CustomException(Throwable cause) {
        super(cause);
    }
}

この例では、Exceptionクラスを継承したCustomExceptionクラスを定義しています。CustomExceptionクラスには、親クラスで定義されているコンストラクタを呼び出すためのコンストラクタが含まれています。これにより、例外のメッセージや原因などを設定することができます。

独自例外クラスを使用するには、通常の例外と同様に、throwキーワードを使用して独自例外をスローする必要があります。例えば、以下のようにします。

public void someMethod() throws CustomException {
    // 独自例外をスローする可能性がある処理
    if (/* 例外の条件 */) {
        throw new CustomException("例外が発生しました");
    }
}

このようにすることで、自分で定義した独自例外をスローして、プログラムの処理を正常に制御することができます。

 

Throwableクラス

Javaの例外の根本的なクラスであるThrowableクラスは、すべての例外クラスとエラークラスの基本となるクラスです。

Throwableクラスは、例外の発生を表すクラスのために、getMessage()、printStackTrace()、toString()などの重要なメソッドを提供しています。

 

Throwableクラスは、以下のように、ErrorクラスExceptionクラスの2つのサブクラスに分類されます。

 

Errorクラス

Errorクラスは、実行時にJava仮想マシン(JVM)で発生する致命的なエラーを表します。たとえば、OutOfMemoryErrorやStackOverflowErrorが含まれます。これらのエラーは、アプリケーションの実行を停止させ、回復不能な状態に陥ることがあります。

 

Exceptionクラス

Exceptionクラスは、プログラムの実行中に発生する通常の例外を表します。Exceptionクラスは、さらに、RuntimeExceptionクラスIOExceptionクラスの2つの大きなカテゴリに分類されます。

 

RuntimeExceptionクラス:

RuntimeExceptionクラスは、アプリケーションの実行中に発生する、実行時例外を表します。これらの例外は、プログラムの実行中に発生する可能性があります。

たとえば、

  • NullPointerException
  • ArrayIndexOutOfBoundsException
  • ClassCastException
  • ArithmeticException

などが含まれます。

 

IOExceptionクラス:

IOExceptionクラスは、入出力操作中に発生する例外を表します。

ファイルが見つからない、書き込みが失敗した、ネットワーク接続が切断されたなどが含まれます。

 

 

 

Throwableクラスの主なメソッド

  • getMessage():例外の詳細なメッセージを返します。
  • printStackTrace():例外の詳細なスタックトレースを表示します。
  • toString():例外の文字列表現を返します。
  • getCause():例外の原因となった例外を返します。

Throwableクラスは、すべての例外の基本となるクラスであるため、すべての例外クラスとエラークラスがこれを継承しています。これにより、例外の階層構造を実現し、例外処理の柔軟性を高めています。

チェック例外 と 非チェック例外

Javaの例外には、チェック例外非チェック例外の2つの種類があります。

チェック例外は、コンパイル時にチェックされる例外であり、通常はtry-catchブロックで処理する必要があります。

代表的な例外としては、

  • IOException
  • SQLException

など

非チェック例外は、実行時に発生する例外であり、RuntimeExceptionクラスやそのサブクラスで定義されています。非チェック例外は、通常はtry-catchブロックでキャッチする必要はありませんが、必要に応じてキャッチすることもできます。

代表的な例外としては、

  • NullPointerException
  • ArrayIndexOutOfBoundsException

例外の種類

Exceptionクラス

Javaの例外クラスの基本となるクラスで、すべての例外の親クラスです。通常、このクラスを直接使用することはありません。

 

RuntimeExceptionクラス

Javaの実行時例外クラスの基本となるクラスで、NullPointerException、ArrayIndexOutOfBoundsException、ArithmeticExceptionなどが含まれます。

 

IOExceptionクラス

ファイルやネットワーク接続などの入出力に関する例外を扱うクラスで、FileNotFoundException、IOExceptionなどが含まれます。

 

ClassNotFoundExceptionクラス

指定されたクラスが見つからなかった場合に投げられる例外です。

 

ArrayIndexOutOfBoundsExceptionクラス

配列の範囲を超えたアクセスが試みられた場合に投げられる例外です。

 

NullPointerExceptionクラス

変数がnullの場合にアクセスした場合に投げられる例外です。

 

ClassCastExceptionクラス

異なる型のオブジェクトをキャストしようとした場合に投げられる例外です。

 

NumberFormatExceptionクラス

文字列を数値に変換できない場合に投げられる例外です。

 

ArithmeticExceptionクラス

数学的な計算が失敗した場合に投げられる例外です。0で割るなどが含まれます。

 

OutOfMemoryErrorクラス

プログラムが使用可能なメモリを超えた場合に投げられる例外です。

 

IllegalArgumentExceptionクラス

引数が無効な場合に投げられる例外です。

 

UnsupportedOperationExceptionクラス

サポートされていない操作が試みられた場合に投げられる例外です。

 

AssertionErrorクラス

アサーションが失敗した場合に投げられる例外です。

 

例外処理の例

例えば、以下のようなJavaコードがあったとします。

int a = 10;
int b = 0;
int c = a / b;

このコードは、変数bを0で割ろうとしているため、実行時にArithmeticExceptionという例外が投げられます。この例外は、数学的に不可能な操作を行った場合に発生します。

 

Javaには、多数の例外クラスがあります。それらはすべて、プログラムの実行中に発生する様々な種類のエラーを表現します。例えば、ファイルが見つからない場合にはFileNotFoundException、ネットワーク接続が切断された場合にはSocketException、メモリ不足の場合にはOutOfMemoryErrorが投げられます。

 

Javaの例外は、tryとcatchブロックを使用して処理することができます。tryブロック内には、例外が発生する可能性があるコードが含まれます。そして、catchブロックは、例外が発生した場合に実行されるコードを記述するために使用されます。例えば、以下のように書くことができます。

try {
    int a = 10;
    int b = 0;
    int c = a / b;
} catch (ArithmeticException e) {
    System.out.println("0で割ろうとしています。");
}

この場合、ArithmeticExceptionが発生した場合には、メッセージ「0で割ろうとしています。」が出力されます。

 

例外処理は、プログラムの安定性を向上させるために非常に重要です。例外が発生した場合に適切に処理することで、プログラムがクラッシュするのを防止することができます。

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