Pythonの辞書(dict)は、キーと値のペアでデータを保持するデータ型です。辞書を使うことで、キーを使って効率的に値にアクセスできます。
この記事では、辞書の基本的な操作であるキー、値の追加、値の削除、および辞書の走査について詳しく解説します。
辞書操作をマスターすることで、Pythonでのデータ管理がより効率的になります。
1. 辞書のキー
辞書は、各要素がキーと値で構成されます。キーはユニークであり、値へのアクセスを行う際の参照として使われます。キーは不変の型(str、int、tuple など)でなければなりません。リストや辞書などの可変オブジェクトは、キーとして使えません。
例: 辞書の定義
# 辞書の定義
person = {
"name": "Alice",
"age": 30,
"city": "New York"
}
# キーを使って値にアクセス
print(person["name"]) # 'Alice'
print(person["age"]) # 30
この例では、”name” や “age” がキーで、”Alice” や 30 が対応する値です。
2. 値の追加
辞書に新しいキーと値のペアを追加することは簡単です。新しいキーを指定して、そのキーに対応する値を代入することで、辞書に新しいペアを追加できます。
例: 辞書に新しいキーと値を追加
person = {"name": "Alice", "age": 30}
# 新しいキーと値の追加
person["city"] = "New York"
print(person) # {'name': 'Alice', 'age': 30, 'city': 'New York'}
新しいキー “city” を指定し、その値に “New York” を代入することで、辞書にペアが追加されました。
3. 値の削除
辞書からキーと値のペアを削除するには、いくつかの方法があります。最も一般的な方法には、del キーワード、pop() メソッド、および popitem() メソッド があります。
3.1. del キーワード: 特定のキーを削除
del キーワードを使って、特定のキーとその対応する値を辞書から削除することができます。
例: del を使ってキーを削除
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
del person["age"] # 'age' キーを削除
print(person) # {'name': 'Alice', 'city': 'New York'}
3.2. pop() メソッド: 特定のキーを削除し、その値を取得
pop() メソッドを使うと、指定したキーを削除し、そのキーに対応する値を取得できます。
例: pop() を使ってキーを削除
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
age = person.pop("age") # 'age' キーを削除し、その値を取得
print(age) # 30
print(person) # {'name': 'Alice', 'city': 'New York'}
3.3. popitem() メソッド: 最後に追加されたペアを削除
popitem() メソッドは、辞書の最後に追加されたキーと値のペアを削除し、そのペアをタプルとして返します。
例: popitem() を使って最後のペアを削除
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
item = person.popitem() # 最後に追加されたキーと値のペアを削除
print(item) # ('city', 'New York')
print(person) # {'name': 'Alice', 'age': 30}
4. 辞書の走査
辞書の走査とは、辞書のすべてのキーと値のペアをループで繰り返し処理することです。
Pythonでは、辞書のキー、値、またはキーと値の両方を取得するために、いくつかのメソッドがあります。
4.1. keys() メソッド: キーを走査
keys() メソッドを使うと、辞書のすべてのキーを取得して、走査することができます。
例: キーを走査
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
for key in person.keys():
print(key)
結果:
name
age
city
4.2. values() メソッド: 値を走査
values() メソッドを使うと、辞書のすべての値を取得して、走査することができます。
例: 値を走査
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
for value in person.values():
print(value)
結果:
Alice
30
New York
4.3. items() メソッド: キーと値のペアを走査
items() メソッドを使うと、辞書のすべてのキーと値のペアをタプルとして取得し、それを走査できます。
例: キーと値を走査
person = {"name": "Alice", "age": 30, "city": "New York"}
for key, value in person.items():
print(f"{key}: {value}")
結果:
name: Alice
age: 30
city: New York
まとめ
Pythonの辞書は、キーと値のペアでデータを管理する便利なデータ構造です。以下の操作を使うことで、辞書を効果的に操作できます。
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キー
キーは値にアクセスするためのユニークな識別子です。 -
値の追加
新しいキーと値のペアを追加するには、dict[key] = value を使います。 -
値の削除
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del キーワード: 特定のキーと値のペアを削除します。
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pop() メソッド: 特定のキーと値を削除し、値を返します。
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popitem() メソッド: 最後に追加されたキーと値のペアを削除します。
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辞書の走査
keys()、values()、items() を使って、辞書の全体をループで処理します。
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